1月9日の日報 「みんなよかったねぇ」

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

最近じぶんも齢をとったな〜、と感じることのひとつに「部下を持つ」というものがあります。
部下、というほど肩苦しくもなく「後輩」という感じではありますが、仕事上の関係なので部下の方が正しいです。

あまり細かいこと(それこそ社会人マナーなどは自分ですら未熟なので)はスキップして、制作仕事に関することをいろいろと指導して、体験させようとする日々を去年から送っています。
いわゆる中間管理職というやつだ!

昔(二十代前半くらい)に
「仕事続けていくうちに、いつか教える側に回ったりするんだろうな〜」
と漠然と思っていた頃。
当時は星野仙一氏が監督就任した阪神タイガース(万年最下位)が、えらい久しぶりにドラマチック優勝したのですが、
その優勝した試合をたまたまTVで観ておりまして、胴上げが終わって星野さんがマイクを渡された時、
「こんな劇的な優勝劇を起こした、でもめっちゃストイックで怖い星野さんはなんて言うだろう」
と、期待と好奇心で注視しておりましたら、仙ちゃんしばらく考えてから最初のひとことが
「みんな、よかったねぇ」
という、若干他人事に聞こえる、でも温かい祝福の一言でした。
(うろ覚えで正確ではないですが)
祝福されてるはずが、祝福返し、みたいな。

その、どんだけ球団内で人をボコボコにして、相手チームや審判相手に暴れまくって大立ち回りを繰り広げてきた仙ちゃんも、どこかで一歩引いた視点で「あくまで自分は監督(=裏方)」というスタンスなのか、と驚きました。
普通だったら「みなさんありがとうございます」と言うところを、球団関係者&ファンを労う言葉から始めた星野スタイルに感動したのを覚えています。

「きっと、指導者の立ち位置として、これが正解なんだろうな」
と、今でも星野スタイルを時々思い出して、
部下を率いるというより(表にはそう見えても)、背中を押す側に立っていようと強く思う所存です。
(しかし子分を引き連れて社内を練り歩く快感も捨てがたい)

年初めにそんなことを再認識できたのは、しかし仙ちゃんの訃報がきっかけだったのでした。私はただただ寂しいばかりです。

それでは明日もよろしくお願いいたします。

猛虎万歳―星野阪神物語

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