2月29日の日報 ビーフシチューはヘイトフル8のあとで

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

昨日ですが、早速『ヘイトフル8』を観てきました。
早速、今日のアカデミー賞で作曲部門を受賞してましたね。

(ネタバレしません)
タランティーノ! ということですが、感想は、微妙……ですね………
ミステリーってほどミステリーでもなく、少ない登場人物の掛け合いという意味では小説っぽい。ただ、釈然としないというか、オチが弱い気が。
面白い……ようで面白くない、でも面白いのかな? ん? みたいな感じです。
(そもそも、タランティーノ作品で面白いと感じたのは『パルプ〜』くらいしか無いのですが)

NHKとかで深夜にやってる海外の探偵ドラマっぽいノリ、というのが最適かもしれません。
絵の作り方、タイトルやエンドロールの文字の出し方/音楽がモロ昔のフィルムっぽくて(実際、昔が舞台なので)、そういう演出=遊び心はクエンティンさんらしいな〜と。


ひとつだけ、クエンティンさん凄い! と思ったのが、
「シチューうまそう」
というところです。

途中、みんなでシチュー食べるシーンがあるのですが、
そのシチューが超うまそうなんですよね。
色味からして、ビーフシチューとお見受けした。
具がゴロゴロしている、温かそうなビーフシチュー……観てるこちらもお腹がグ〜と鳴るほどです(事実、鳴った)。

しかしなぜ、映像だけの、匂いも嗅げない作中の小道具みたいなシチューが、ここまで美味しそうに思えるのか!?
私なりに検証してみました:

1.
<木の器と、木のスプーン>
これがビジュアル的にシチューのうまさを際立たせているかと。

2.
<みんなの食いっぷり>
これは西部劇だからなのか、スプーンの持ち方とか口への運び方がどいつもこいつも軽く下品なのですが、しかしその大雑把にバクバク食べる仕草が、
「そんなにガっついて……それって、シチュー絶対ウマいってことやん?」
と観客である我々に、シチューが絶対ウマいことをわからせてくれるのです。

3.
<外が猛吹雪>
おそらく、これが「シチュー絶対ウマい問題」の最大の原因だと思うのですが、
舞台である服飾店(ロッジ小屋)の外は、それはそれは猛吹雪でして、
作中もずっと風が吹き荒れる音がうしろに静かに流れている。
でも、小屋のなかは安全。暖炉も、毛布もある(みんなの息が白いので、寒いことは寒いっぽい)。
そんな「危険のなかの安全地帯」というシチュエーションで食すシチュー。
絶対ウマい!!!!

実際も、台風の日に家のなかでジッとしてるのが、たまらなく楽しい&逆に穏やかになれませんか?
あの心理に近いと思うのでした。
いや、クエンティンさんも絶対なにかしらの心象シンボルとして、シチューのシーンをああいう風に描いたんじゃないかな〜。
などと勘ぐっております。
「これは、もはや絶品シチュー映画としか思えない!」

以上、『ヘイトフル8』感想でした。
それでは明日もよろしくお願いいたします。
そのあとの晩御飯は、牛タンを美味しく食べました。