11月7日の日報 バリバリ健康伝説 〜真実編〜

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

今日は朝から健康診断へ(決死で)行って参りました。

【よかったこと】
バリウム、余裕でした。

相当緊張していた初バリウム
待合室にあった『正しいバリウムの飲み方』というのを何回も熟読し、ありとあらゆる状況をイメトレ想定することで、不測の事態(うまく飲めなくて泣いちゃう、など)へ心の準備をしておりました。
その気迫たるや、周囲もタジタジだったであろう。

ところが、名前を呼ばれて「デュワッシャー!!」と気合い入れて臨んだバリウムが、
「あら?」
スルスル飲めちゃう。全然ツラくない。
「これ、ヨーグルト味あったら美味しそう〜」
と余裕ぶっこく私。

ゲップを我慢するのだけがちょっとイヤでしたが、あの360度回転するベッドの上で、あっち向いたりこっち向いたりをキャッキャッと楽しんで終了。
お腹にバリウムが溜まってるのも分かるけれど、そこまで苦ではなかったのでした。
「あーよかった」


【悪かったこと】
先日の日報にも書きましたが、私は先月から
「生きとし生けるもの、食べたいもの食べるのが超ハッピーだよね!?」
という妙な悟りの境地へ辿り着き、
ダイエットなんぞクソ喰らえと言わんばかりに食べたいものを食べまくっています。

当然太るわけですが、しかし現実(リアル)を知るのが怖くて体重計には乗っていなかったのです。

ところが今朝、検診センターへ向かいながら「しまった」と気付いたのです。
体重計るやんけ、と。

どうしよう、もし人生最大キロ数を、しかも看護婦さん達の前で達成してしまったら……
「違う、違うの! これは本当の私じゃない! アアアアアア」
とサイコを演じて記録をうやむやにするしかないか……
焦りで冷や汗をかきながら体重計に乗ったらば、
なんと
過去最大体重より0.4kgだけ、少なかった。

「あーよかった!」
安堵の息をつく私は、同時にプライドのような、人の尊厳まで一緒に吐き出してしまった気がする。


【悲しかったこと】
IT企業を対象とした保健組合による検診でしたから、組合の自社ビルにある検診センターに集まる受検者は皆なにかしらのITマンなのです。
生き馬の目を抜くIT業界に日々従事しているわけです。

広い待合室で順番を待つ数十人の人々を傍観しながら、
「ここにいる皆、健康なわけあるかい……」
同業者ゆえに想像できる厳しい日々をサバイブする彼らを想い、私は涙を禁じ得なかった。


【つらかったこと】
否が応でもプクプクぽっちゃりしてきた我々オーバー30のメンズが、みな無言でたむろする一種異様な空間、それが待合室。

……そこの本棚に雑誌『Tarzan』置いたの誰じゃい。

「トレーニング」「筋肉」「痩せる」といった言葉たちがダイナミックに踊る『Tarzan』の表紙。
それはまるで、ダイエットをとうの昔に放棄し、夜な夜なお菓子や酒を嗜むことで日々のストレスを紛らわしてきた愚かな我々に対する、病院側からの無言の圧力……否、勝利宣言のように思えて胸がチクチクする。

全員同じ検査着を身に纏い、その下に隠したビール腹。
しかし、そのお腹はこれから始まる検診のあちこちでペローンと医者&看護婦さんの前に晒されるであろう。
今さら『Tarzan』を読んだところでどうしようもない、ただひたすら俯いて看護婦さんから顔を逸らすことしかできないのだ。
全てはこれまで歩んで来た人生が積み重ねてきた罪……
「神よ、何故このタイミングで我々に罪悪感を抱かせるでござる!?」
私は涙を禁じ得なかった。


【まとめ】
これまでに無い大きいセンターで、
これまでに無い大勢の人々に混ざって受けてきた健康診断。
そこには、人の数だけドラマがあったのでした。

混んでいたせいか、だいぶ待たせることになったものの、私は待合室の椅子に深く腰掛け、
「俺たちがこうまでして追いかける『健康』、その果てにあるものとは一体……」
眉間に皺を寄せて考えては、
「フ、それは死ぬ時にわかるさ」
とニヒルを気取っていたのでした。
Tarzan』を読みながら。


それではよい週末をお過ごしください。

Tarzan (ターザン) 2014年 5/22号 [雑誌]

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