7月3日の日報 窓際の人々

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

今日の仕事の一番のタスクは「企画書を書く」というものでして、私にとっては不慣れな作業ですから、ここは気分転換しようということで、仕事場から飛び出してスターバックスなんとかというコーヒー屋に引きこもっておりました。

窓際のカウンター席に座って、うーんうーんと無い智慧絞ってカタカタ文章を書いておりました。
コーヒーおかわりしつつ3〜4時間も席に座っていると、隣の席が立ち替わっていくわけです。

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第1話「繋がれた女」

はじめは、少し年上のキャリアウーマンな方が、同じくノートPCでカタカタしておりました。
ノートPCはWindowsマシンのようで、少し小さいサイズの、見た目ちょっと古そうなやつ。
よく企業の人が会社から支給されるマシンに似てましたが、
それの『電源アダプタ』がとにかくデカい!

えらい仰々しい電源アダプタで、アダプタを連結して使う必要があるのか、コードの途中にデカいボックスみたいなのが付いてました。
コードも妙に長いせいで、床に垂らさないようにと机上に置いていましたが、それもまた無駄に幅をとっている。

キャリアウーマンも常に気にしていたようで、
「手軽に気軽に、一緒にお出かけできる!」
……はずのノートPCに、えらいまた重々しい鎖が繋がれているものだなと、隣に座る私はチラッチラッと気になっておりました。

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第2話「開かずの頁」

その次に座ったのは若いカップルでした。
ギャル男風の彼氏と、イマドキファッションな彼女。

ところがどっこい、彼氏はいきなり週刊ジャンプ(チラッとワンピースが見えたのでジャンプと思う)を読みはじめるわけです!
彼女がいるというのに。

んで、彼女は彼女で、彼氏に「ねぇ今度のほにゃららどうする?」「なんとかのことって皆に伝えてる?」「でもそれじゃあ時間が足りないんじゃない?」などと、ジャンプを読もうとする彼氏に怒濤の問いかけマシンガン。

彼氏も無視してジャンプを読むわけにはいかないので、視線は誌面に落としつつもしっかりと彼女の質問に答えてます。

この状況が、席についてから離れるまでズーっとなんです。
彼氏もジャンプを諦めて閉じることはしない、
彼女も彼氏を一瞬たりともジャンプに集中させない。

隣にいた私には、これが戦争であることが充分過ぎるほど理解できました。
仲良さげなカップルの会話に潜む、命を賭けたやりとりを、私はチラッチラッと気になっておりました。

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第3話「お喋りな執行猶予」

最後に隣にきたのは女子高生2人組。

ひとりは私服、もうひとりは制服だったのですが、制服娘の着ているシャツがめっちゃ派手!
ピンクのチェック柄、というのでしょうか、そんな制服の高校ねぇだろ!とツッコミたくて仕方がないわけです。

これはアレですか、私の世代(ストニュー世代)でいう当時の『他校のネクタイ/リボンつけちゃう』とか、『制服だけど頭にハイビスカスつけちゃう』とか、『ラルフのカーディガン着てウルトラマリンの香水つけちゃう』みたいなものでしょうか?

しかも、2人はすぐさま机にテストに向けた勉強ノートを取り出すのですが、それからずーっとお喋りです。
「◎◎ちゃん、なんとか君と付き合ったらしいよ☆」
みたいな恋愛モノから、
「バイトのほにゃららって奴がチョーキモくて☆」
みたいな愚痴混じりの相談などなど、
リアルな十代事情が真横の三十路に筒抜けだ。

結局、途中でお互い無言になってノートに向かってはいたものの、ほとんどをティーンエイジトークに費やして彼女たちは去っていった……。
テスト直前になって慌てても、おじさん知らないぞ☆

全ての語尾に・*:.。. .。.:*・゚゚・*が漂うピチピチなトーク、常に我が鼻孔を突くシャンプーの香り、そしてド派手なシャツ……
「ええい、33歳の静動脈を破裂させる気か」
隣に座る私はドキッドキッチラッチラッと気になっておりました。
いや、別に変な意味ではなく。

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さまざまな人間模様が繰り広げられるコーヒー屋の窓際。
まぁ、キャリアウーマンも、戦争カップルも、女子高生も、隣に座る私をチラッチラッと見ては

「こいつ、さっきからFacebookばかりやってね?」

と思っていたに違いない。
それは間違いない。
おかげさまで企画書は今日終わらせる予定がついつい守れず。
「へへへ、あー楽しかった」
今日はもう帰ります。

明日は私、代休をいただきますので次回は月曜更新になります。
それでは良い週末をお過ごしください。

企画書 つくり方見せ方の技術―誰も教えてくれなかった超テクニック (スーパー・ラーニング)

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