6月23日の日報 おのれ香港警察

お疲れ様です。伊藤です。

この日は仕事のあとに映画館に行ってきました。
観た映画は『ポリス・ストーリー/レジェンド』。
ジャッキー・チェンの代表作のひとつであり、その最新作が公開されたのですーっ!!!

……のはずが、世間では全く盛り上がっていないのでした。
「ジャッキーの新作やってるの、知ってる?」
と周囲に訊いても「え、そうなんだ、へー」。

私の世代(80年代生まれ)にとってのヒーローは、
ブルース・リーではなく、
ジェット・リーでもない、
まさにジャッキー! ……そんな世代のはず。
ゴールデン洋画劇場で彼の映画が放送された日には、風呂に入る前に洗面台の鏡で
「ハイヤッ! アタッアタッ!」
と、にわかカンフーの鍛錬にいそしむ少年が急増していたものです。

そんな彼の新作が封切りになったのだから、映画館に三十路のにわかカンフー野郎どもが「アタッアタッ!」と大挙して押し寄せるだろうと思ったのです。が。
ところがどっこい、話題にもならなければそもそも配給ラインが細い(中国制作の映画なのでしょうがないのかな)。
時間帯や公開期間の短さをみる限り、劇場側のモチベーションも高くなさそうです。

なんせ、彼も今年で60歳です。
本人の体力の限界=アクションの派手さも減ってしまう故の、本来の魅力の減退も去ることながら、いわゆる「世代交代」という時代の流れもあるやもしれません。

とはいえ、私はジャッキーに育てられた世代である。(にわかですが)
「先生の活躍を刮目せん!」
かくして私はガランガランの映画館へアイヤー!と飛び込んだのです。
(マジでガランガランでした)

感想としては、
「アイヤー」
というものでしたが……
まぁ、サスペンス人情ドラマとしてはまずまずの出来だったのでは……
いや、ジャッキー主演でサスペンス人情ドラマを観たいかというと、決してはそうではないとはいえ……
まぁ、えらいまたシリアス路線で来たな、と。

アクションシーンは一応ありますが、どうしても地味になりがち。中国拳法特有の「アタッアタッ」な勢いはなく、どちらかというと常に敵に押されている感じ。
瞼に焼き付いている数々のシーン……往年の『ポリスストーリー』とか『プロジェクトA』をどうしても期待してしまう自分もいるわけで、
ボコボコにされたり、
しょっちゅう銃で撃たれたり、
あんまり強くない今作のジャッキーを観ながら、
「うおおお、ジャッキぃ〜っ!」
と、にわかファンとはいえ私の胸中は複雑でした。

しかし、改めて考えてみると、
ジャッキー生誕60周年として制作された今作=彼にとっての代表作の続編を、敢えて家族愛をテーマにしたサスペンス人情ドラマにしてきたのは、ひょっとしたら彼なりの「60歳のジャッキー・チェン」の表現なのかもしれない。

カンフーアクションスターとして一世風靡した役者が、年相応に表現の幅を増やしていくその変化を、同様に齢を重ねた我ら受け手側も歓迎しなくてはいけない。

うむ、そういうことなんだな! ジャッキーよ、あなたの想い、受け取った!
ちょっとガッカリもしたけれど、なるほどこれは本当に『刑事映画(ポリスストーリー)』であったのだーっ!!
ボワ〜ン!(銅鑼の音)



と感動しながらポリスストーリーのWikiを読んでみたら

ポリス・ストーリー/レジェンド【警察故事2013】

原題に「警察故事」と冠してはいるが、シリーズとは無関係の作品

関係ないのかよっ!
「彼にとっての代表作の続編を、敢えて家族愛をテーマにしたサスペンス人情ドラマにして」とか書いちゃったじゃんか!
「彼なりの表現なのかもしれない」とか書いちゃったじゃんか!
どうとでも作れるやんけ!
しみじみしながら観てた自分が阿呆らしいっ!
そりゃめちゃくちゃ思い入れ強い日報書くわ!

ムムっ
こりゃジャッキーに一本とられたわい。
悔しいからまた次作も観てやります。

それでは明日もよろしくお願いいたします。

やっぱり俺の師匠は武田鉄矢だわ!