1月23日の日報 裏表紙パワー なのだ の巻

お疲れ様です。伊藤です。
昨日の日報を遅れて提出いたします。

趣味は読書、しかし一冊読む終わるのに一ヶ月とか平気でかかる遅読家である私ですが、フィクションの小説は比較的スラスラ読めます。
その作家の文体に左右されることもあれば、純粋にストーリーが超絶おもしろくて「ね、寝るのももったいないくらいオモシロイ!」と、本当に寝る時間を削って読み耽ることもあり、そういう時は数日で読み終えることもあります。
(ノンフィクションは、没頭するよりも、色々と感慨に浸りながらなので、読んではボーっとしてまた読んで……を繰り返す=読み進めるのが遅くなる)

そんななか、先週買った乙一氏の『箱庭図書館』を一週間で読み切れたのは、我ながら良いペースでした。
(文庫本に一週間、は愛読家からしたら遅いのかもしれませんが)

乙一氏は過去に一作だけ、『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品の『The Book』を読んだだけで、格段好きでなければ嫌いでもなく、名前は知っている程度だったのです。
でも、本屋に置いてあって、たまたま手にとって、裏表紙の紹介文&あらすじを読んで興味が沸いたのでパッと買った……という。

この、文庫本の裏表紙にある「紹介文&あらすじ」って、ユニークユーザーにとっては唯一の情報を仕入れる場所ですよね。(その場=本屋において)
ここの書き方次第で、レジへ行く行かないが分かれることもあると思うのです。

今回の『箱庭図書館』は、あらすじもさることながら、最後の数行に
「ミステリ、ホラー、恋愛、青春…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集!(amazonの紹介文より抜粋)」
と書かれており、『ひとつの街を舞台に』というのをあらすじで読んでいたので、短編がそれぞれリンクする中で相反する要素たちが混ざっている部分に惹かれて買ったのでした。
まさに、裏表紙のパワー!

箱庭図書館 (集英社文庫)

箱庭図書館 (集英社文庫)

ただし、この裏表紙が時にして作品自体に高いハードルを課してしまうこともある。
「おぉ、なんだかおもしろそう!」
と思って買っても、実際に読み始めると「あれ」となった経験は幾度あります。
(立ち読みはしないので、ギャンブルに近いところもある)
この、悪い意味でのギャップが作者への評価に繋がってしまうことがあるだけに、裏表紙の責任は重大だな〜、と改めて思った次第。
あの裏表紙を書くのは、編集部の人なのでしょうか。

裏表紙だけでなく、書店のポップなども同じ責任がありますね。
逆に「帯」の寄稿コメントなんかは、あれって基本褒めてるだけなので、まぁ気楽といえば気楽なのか。
先日の日報で、
「映画の広報がミスディレクションで宣伝してしまうと、結果として映画の評価に悪影響がある」
みたいなことを書きましたが、書物も同じですね。

作品、作家はひとりでも、物流に乗って私の手元に届くまでに様々な人間が関与している、一種の伝言ゲームみたいな部分に目をむけると、なかなか興味深いのです。

それでは本日もよろしくお願い致します。
『箱庭図書館』の裏表紙は、ホラーの部分だけ「あんまり怖くないな」と思いましたが、でも内容をちゃんとカバーしていたと思います!