12月28日の日報

お疲れ様です。伊藤です。

私にとっての仕事納めとなったこの日は、仕事後に新宿に映画を観にいきました。
観た映画は『夢と狂気の王国』。
去年の秋からの約1年間、スタジオジブリで(主に宮崎駿氏を)追いかけたドキュメンタリー映画です。

個人的にかなり興味深い題材を扱っており、公開後すぐに観にいきたかったのですが中々タイミングが合わず。年内を逃すともう映画館では観れないかと心配でしたが、なんとか滑り込むことができました。

私をはじめ、ジブリが好きという人はたくさんいるだろうけれど、そのどれくらいがスタジオジブリを「真に」理解しているのだろうか、と改めて考えさせられるものでした。

ジブリに、そして宮崎氏や鈴木氏について、資料だったりインタビューなどで散々語り尽くされてる感があっても、「仕事現場に潜入」したものは皆無だったのではないでしょうか。
絵コンテを描きながらぶつぶつ呟く言葉が、最もリアルに近い。作品中で作り手本人の口から語られる「ホンネとタテマエ」は、観ている者=観てきた者をハッとさせます。

風立ちぬ』『かぐや姫の物語』の2本公開でジブリイヤーと言われた2013年でしたが、いや、この『夢と狂気の王国』をもってして「史上最高の」ジブリイヤーと言えるのではないか。
思いのほかシリアスで、でもどこか優しいこの作品を見終わって、私の胸は感動でいっぱいです。
もう手放しで「素晴らしい!」と賞賛したい。

また、監督である砂田麻美氏のドキュメンタリーづくりの手腕そのものが、かなりグッと来ました。とても巧いです。
ノンフィクションですから、撮影=取材であり、一発本番で画=素材を集めていくわけで、そんな緊張感のなかで
「うわ〜、よく撮ったな〜!」
と唸らせられるシーンがいっぱい。
単に宮さんを追っただけでなく、ジブリそのものを、念密に、これでもかと言わんばかりに撮ってると思います。(言葉で説明しづらいですが、観ればわかるかと)
最後、引退会見の控え室で、宮さんが窓の外の風景を眺めながら語る言葉に、往年の作品の映像を充てていくところはまさに「お見事!」です。

加えて、『夢と狂気の王国』というタイトル。これも秀逸だと思いました。
見終わってからタイトルの意味について考えると、「お〜」となります。
ほんと、いい映画でした。砂田監督ありがとう。

今作含め、今年のジブリ作品はすべてで泣かせられました。
いつから「泣きのジブリ」になったのでしょうか。いや、私が歳とっただけか……

というわけで、伊藤日報は「仕事した日に更新」ということなので、この28日をもって2013年の更新は最後となりますが、多分明日とか明後日とか、なんか書くと思います。
暇なので。
暇じゃない!

それでは明日もよろしくお願いいたします。