12月27日の日報 戸井十月氏のこと
お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。
先日の日報に沢木耕太郎氏のファンだと書きましたが、私は読書においてノンフィクションが好きです。小説を読む機会は全体の3割程度で、それもいつも同じ作家ばかり。
巷で人気の作家にも、あまり手をつけたことがありません。(春樹でさえ)
その他のノンフィクション作家では、戸井十月氏という方の著書はほとんど持っていて、とりわけチェ・ゲバラをはじめとするキューバ革命に関する一連の書籍は、作品に出会った20代後半当時に興奮しながら読んだ記憶があります。
その戸井十月氏が、今年の夏に他界されていることを、昨夜になって知ったのでした。
「戸井さんの新作って出てないのかな〜」
と、ふと夜中に思い立ち、ちょっと彼のWEBサイトを覗きにいって、知りました。
数ヶ月前のこととはいえ、彼の死を知らずに呑気に過ごしていたことが少し悔しくもあり、同時に、60歳を越えてもあれだけ元気に現役として活躍されていたのが、まさか突然他界されてしまうなんて……とショックも大きい。
実は数年前に、人生のおいて今後の身の振り方をどうしようか悩んでいた私は、何を血迷ったか彼に
「なんでもいいから会って話をさせてくれないか」
と突然メールと送ったことがあります。
しかし戸井氏は、仕事のスケジュールを調整してくれ、曙橋の喫茶店で私の悩みを聞いてくれました。
彼自身が波乱の人生を送ってきたこともあって、「自分の意見は偏ったものだけど」と謙遜しながらも、いろいろな話をしてくれました。
きっと彼のような立場の人には、こういった悩み相談を頼んでくる輩というのはたくさんいるんだと思います。それでも嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれた戸井氏の「強くて優しい」印象は今でも覚えています。
今年も終わりという時に残念な報せでした。
冥福をお祈りすると同時に、改めて戸井氏に「ありがとうございました」と感謝します。
それでは明日もよろしくお願い致します。
(今日で仕事納めでしたが、明日(28日)も出社予定……)
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戦争終結後も、30年にわたってフィリピン・ルバング島で戦い続けた日本兵を追ったノンフィクションです。