4月3日 新世紀の群像劇 の巻

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

もうだいぶ前のことですが、『アイドルスタジアム』というイベントに行ってみました。
http://idol-stadium.com/

これは東西南北全国津々浦々からアイドルが集まるというもので、サイトをご覧の通り30組を越えるグループが登場することもあり、昼13時から夜の21時くらいだったけな? とにかくぶっ通しアイドルでした。

まだアイドルに興味をもって間もない私は、
ほとんどのアイドル(でんぱ以外全部)が初見でした。
そんな私の個人的な感想としては、やはりAKBの後追いな印象が拭いきれないグループが多く、
「ここから勝ち残れるのは一握りだろう、やはり厳しい世界だ…」
と、業界人の気分全開で鑑賞していました。
まぁ、現代におけるアイドルの多様性を鑑みると、必ずしも全国区レベルのお茶の間人気に得ることだけがアイドルの成功ではないのかもしれませんが…。

それと、アイドル系のイベントに行く度に、そのファンの皆さんのパワーに気圧されます。
こんな長時間イベントにおいても、底抜けの体力でずっとステージを応援しつづけており、
しかも私が知らない(&きっと私の周囲に訊いても皆「知らない」であろう無名の)アイドルグループに対して、既に振付や掛け声をバッチリ揃えて皆で大盛り上がりしてました。
それがファンのファンたる由縁なのでしょうが、それにしてもすこぶる楽しそうである。
彼らの横で腕組みしながら羨望の眼差しを向ける私。
「みんな、どこで情報を共有しているのだろう…!」
私も混じって大声出したいわん。

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さて本題ですが(すごい長い前置き)、
とにかく、そのアイドルの「数」たるや圧倒的。
有名か無名かはさておき、日本にこれだけの数のアイドルがいるだなんて(この日出演したアイドル以上いるのですから)、石を投げればアイドルに当たる時代の到来です。

群雄割拠、生き馬の目を抜く激しい競争へと身を投じる可憐な乙女たちの一生懸命なパフォーマンスを見ながら、私は考えておりました。
「日本におけるアイドルの定義というのは、諸外国のそれとは明らかに違う。悪く言えばガラパゴス化ではあるが、この状況を逆手にとって、もっとアイドル文化を楽しむ方法はないだr……あーっ!!

これだけアイドルがいて、
これだけのアイドルグループがいるわけですから、
アレが可能なのでは?

そのアレとは、ずばり『移籍制度』です。

サッカーや野球のそれと一緒です。
あるグループで活動していたアイドルが、別のアイドルグループへと移籍する。それだけです。
(AKBはHKTやNMBなどの間でメンバー異動がありますが、もっとガチの移籍)
仮に、
絶大な人気を誇るグループの中でトップを張るアイドルがいたとして、手放したくない事務所 vs 獲得を狙う他のグループの事務所、という図式が成り立ちます。
そうなると様々な現象が連鎖的に起こると思いますが、とくに「必然的なアイドルの収入UP」は本人のキャリアにおいて大きい要素かと思います。

現状では、アイドル個人がグループ(事務所)を渡り歩くケースは稀です。グループ脱退=ピンのタレントになるか、引退のどちらかが一般的。
しかし移籍制度があれば、アイドル自身の向上心も高まるのでは。
(例:ヤンキースのピンストライプと同じように、AKBの制服ユニフォームの不可価値が高まる…など)

移籍制度によって、より競争も激しくなるでしょう。
スカウトマンによる「練習生引き抜き合戦」なんかも起こるかもしれません。しかし、それは年に1度のドラフト会議として注目イベントに発展する可能性も。
フリーエージェント制があれば、人気のあるアイドルはどんどんトップへと駆け上っていくことができますが、
人気のでない子は非情にもグループから「放出」されるかもしれません。彼女はメジャーリーグへ渡った日本の野球選手の多くのように、マイナーなグループヘ不本意ながら加入して辛酸をなめるかもしれない。
輝かしい功績を残しつつ、妙齢を重ねたあるアイドルは、その過去を煌びやかなまま残して引退を宣言、伝説となるかもしれない……。
そんな厳しくも儚い世界を構築してはじめて、プレイヤーたるアイドルたちが「夢」を語るに値する場になるとは思いませんか。

ファンとしても一喜一憂(そこに「憂」があることが大事です)する機会が増えるでしょうが、メンバーの流動性増加によるシーンへの注目度も高まるでしょう。社会認知、ひいては地位向上にも一役買うかもしれません。


……まぁ、実際のパフォーマンスを見ながら「これだ!」と思いついたアイデアとはいえ、ヤクザな芸能界ですから、こういった自由競争が現実になるとは思えませんが、しかしステージで華やぐうら若き乙女たちを見ながら、
「そんなプラットフォームがあれば、彼女たちの輝きもより一層増すだろう…」
と、肩からかけたセーターの袖を胸の前で締め直すフリをしておりました。

アイドルによるグループ間の移籍制度によって、天国か地獄かはキミ次第。
憧れのグループを目指し、夢のステージへと駆け上れ!
新時代のアイドルリーグ、その名も『アイドリーム』。
("I dream"(私は夢見る)とアイドル・ドリームの合体語)


クラウドファンディングでもやるかね。
それでは明日も宜しくお願い致します。


でんぱ組推しで行ったイベントでしたが、でんぱ以外で最も印象に残ったグループ。
サビの振付がいいですね。