12月3日の日報 にゃん誅でござる の巻

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼致します。

<あらすじ>
コロンビアの忍者に
「お主の忍者になりたいという夢は、嘘だったでござるか」
と諭された私は、己の怠惰を恥じ、かつての夢を叶えるために北へと旅立った。

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私が忍者になる修行のため訪れた先は、
栃木は日光、鬼怒川であった。

電車に揺られて2時間半。
駅に着いたらば早速このポスターが。

キャッチコピーも何もない「覚悟はできているだろうな」感がひしひしと伝わってくるシリアスな雰囲気。ふふふ、噂に違わぬようでござる。
日光江戸村
そこは、現代では数少ない忍者の隠れ里。知る者ぞ知るSHINOBI伝承の地!
鬼怒川温泉駅からバスで10分でござる!

「え、入るのに○千円もするんスか!?」
…と心の中で驚いたが、忍の道がそう安い値段では却って困るというもの。
村に入っても、その人の少なさがSHINOBIの険しい道のりを不気味に物語っている……。

まず、
ありえないほど寒いでござる。
栃木をナメておった。
「ここまで寒いなら、雪のひとつも降ってくれなきゃ辛過ぎて心が折れちゃうYO!」
早くも忍の洗礼に思わぬダメージを受けつつ、
しかしさすが日光江戸村

ジャーン!
村のあちこちで数々の忍者たちが出迎えてくれ、
様々な忍術の試練を課してくれるのです。

この手裏剣道場では、ガチで手裏剣を投げさせてくれます。
的の真ん中に当たれば、なんとリアルな刀をプレゼント!
だが、これがムズいでござるよ!
「手裏剣が思うように飛んでくれない!」
ボウリングのスコアで33点を平気で叩き出す私のスポーツセンスも関係あるかもしれませんが、それでも想像以上に難しい。

よく映画では手裏剣を手の平に乗せて、もう片方の手で「シャッシャッ!」と打ち出しますが、実際は野球のボールのように投げつける感じなのです。


(ここで投げてるメガネのお兄ちゃんと同じような感じ)

「手裏剣はあきらめるでござる!」
他にも、『にゃんまげ映画館』みたいなところで、凄く短い忍者ムービーを見たり、

迫力の忍者ショーを観たり!

この忍者ショーは、ストーリーがかなりカオスだけど見応えたっぷりでした。
現代の忍者は、ダンスも出来なくてはいけないのだ!


そんなこんなで忍者気分をたっぷりと満喫。

それにしても、日光江戸村

お客さんめっちゃ少なくて、ちょっと心配でござる…。
正直なところ、これだけの施設維持費・人件費をちゃんと賄えているのだろうか、疑問に思うほど盛り上がっていない。
それに、ハコはあるが中身(コンテンツ)にかけれる予算がないのだろうか、非常にもったいない使い方をしているように見える。(奥の方の武家屋敷とか)
葉も枯れ冬の風が吹き抜ける季節も相まって、いやに寂しく思えたのが本音です。

とはいえ、
昨今はコスプレイヤーさんたちによる村全体を使った本格的な撮影会がメジャーになっているそうで、彼らも大事な収益源になっているそう。

・EDO WONDERLAND 日光江戸村 - コスプレイヤーアーカイブ
http://www.cosp.jp/event_place.aspx?id=747

・コスプレ+旅行をご案内する「こす旅」!
http://www.costabi.com/tour/edomura

村での出し物のひとつに花魁の行進もあって、これは実に素晴らしいものでした!

もともと江戸村では侍や姫、ちびっ子忍者などの衣装をお客さんが借りて園内を巡れるサービスがありますが、より本格的なレイヤーさんたちにもオープンにして撮影会として使ってもらっているそうな。事実、私が行った日もお客さんの2〜3割はレイヤーさんたちでした。
でも、非日常感という意味で私はこれは良い循環だと思う次第。むしろ、日光江戸村はこっち路線にガツッと切り替えてもいいんじゃないかな〜。
コスプレ、俺もやりたくなってきたな…冬のコミケ……
もちろん、世界忍者戦ジライヤだ。


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ところで、
私がそわそわしていたもう1つの理由。
それは、日光江戸村のマスコットキャラクターであるコイツである。


(c)贋魚写真館

にゃんまげ。

コイツに会いたい……
いや、むしろコイツを斬りたい……。

そんな衝動が村に近づくにつれて沸々とわいて来た。
そのために、わざわざお土産屋さんでピコピコ鳴る刀(「切り捨て御免」と書いてある)まで買って、
「てめぇ、にゃんまげ!どこにおる、出て参れ!」
と村中探しまわっていたのに、これがどこにもいない。
マジでいない。

この村を歩いていた間、ずっと抱いていた違和感。
それは来場者の少なさだったり、どこか寂れた風景の中に際立つレイヤーさんだったり、見事に江戸の人間になり切っているエキストラの皆さんがふいにみせる現代人の顔だったりなのかな〜と思ってたのですが、どうやら違う。
「このテーマパーク、マスコット不在だわ」
それに気付いて尚更「マスコットの中の人、辞めちゃったのかな…」と不安になる拙者。

たいていは主役キャラの脇を固めるサブキャラも擁立し、一大ファミリーを展開して人気を高めていくのが王道であるはずのキャラクタービジネス。

事実、こうやって彼らの「余韻」はあちこちに見て取れる。

無造作にぬいぐるみが置かれていたり、

道ばたに置かれた筒の中を覗くと

ひょっこり。

「要所要所ににゃんまげをセットしながら、本物がいないとは一体どういう了見か! こちとら一緒に記念撮影する気満々でござるのに!」
通りすがりの百姓エキストラに問い詰めたのち切り捨て御免してやろうかとも思ったが、ぐっと堪える。
どこへ行ってしまったというのだ、にゃんまげ……。

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結局、
「忍者キビしいわw」
という結果に落ち着き、
あえなく閉門時間16時をむかえたこの日。
無念でござる。

江戸村から駅へ向かうバスに乗り込み、
意気消沈のまま出発を待っていたその時、
にわかに車内がざわついた。

皆が窓の外、入園口の方を指差している。
「なんだ? もうバスも出発するというのに」
そう訝しげに目をやると……



あ…



ああ……



ああああ……


にゃんまげーっ!


「遅えーよ!」
伝説の珍獣を調査しに南米の辺境までやって来たタレントが、結局なにも見つけられずにタイムアップを迎えて帰路につこうとした時、地元の原住民が急に慌て出したので一体なにごとかと思って湖を見てみたら、珍獣(らしき影)が見えてタレントも大興奮→その映像を何度もリピートしながら感動のエンディングをむかえ、VTR後にスタジオで司会者に「え〜、じゃあアレ、本物を見たんですか!」「いや〜、ほんと、驚きましたね、ハイ」とすまし顔で答えて、司会も「それではCM!」みたいなスンゲー嘘くさいバラエティ特番みたいじゃんか!

悔しい、悔し過ぎる。
一緒に写真撮りたかったのに……!
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
もう何もかもが…その「にゃんまげ」というカワい過ぎるネーミングすら憎いぜ。
あの着ぐるみにありったけの力で手裏剣を投げつけたいでござる!

おのれ、にゃんまげ。
いつの日かまた江戸村に戻って来て(ジライヤのコスプレで)、必ずやお主を「にゃんまげ」からタダの「にゃん」にしてやんよ?

それでは明日も宜しくお願い致すでにんにん。


ニャンまげにとびつこう

ニャンまげにとびつこう