8月28日の日報

お疲れ様です。「髪型、前の方がよかったです」と多田さんに言われた伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

毎年、イタリア・カンヌで開催されている"MIDEM"という音楽の祭典をご存知でしょうか。

http://www.midem.com/

スンゲーかいつまんで説明すると、いわゆる音楽フェス……ですが、そこにITベンチャーやスタートアップなどのWEB系カンファレンスの内容も加わったもので、

・色々なLIVEがあちこちで数日にわたって繰り広げられ、

・同時に、音楽業界のありとあらゆる企業がブースを出す見本市も併設され、

・さらに同時に、音楽に関するWEBサービスをテーマにしたスタートアップによるコンテストも開催される

という、ITによって音楽業界を次世代へブーストさせようと試みる人々のお祭り…みたいなフェスティバルです。
今では認知度も上がった音楽WEBサービス"SoundCloud"もこのフェスティバルから生まれたそうです。

そして今日、その"MIDEM"の主催者が来日するのに合わせて、小規模ながらスタートアップ向けのミートアップが開催されるということで、私も出席してきました。
(私の仕事はWEB制作ですが、弊社は同時に音楽レーベルも運営しており、WEBと音楽の融合については常にあれこれと取り組んでいるのです)

内容は主催者による"MIDEM"の説明、そして来年1月に行われる"MIDEM 2013"へ是非来てね☆というアピールが主な内容でした。
正直、音楽の祭典よりもITカンファレンスの色が濃いように思えていたので、
「レーベルの人間として出席する場合は、そこまで実にならない話かな〜」
と睨んでいたのですが、
蓋を開けてみると実際は『音楽かITか』ではなく、『音楽をITで』というコンセプトでして、
「音楽産業は行き詰まってると思われがちだけど、今は単に過渡期なのである」
という論を裏付けるような話だったのです。
なるほど、これは非常にインスパイアをいっぱい頂きましたぞぉ〜(ムック)
どうしよう、来年カンヌに行きたくなったの!


ところで、そんな新鮮な話を聞けた今日のミートアップでは懇親会も設けられ、私も色々な方々と名刺を交換しました。
名だたる企業の方から、スタートアップ立ち上げたんです!という勢いのある方まで、多種多様な人々が集まっていたわけです
が、

音楽業界の人間がいない。

いや、実際は私たちと同じような小さいインデペンデント・レーベルの方が何名か来られてましたが、そうではなくて、
「こういうところに顔出してないとダメだろ」
っていういわゆる大手の音楽メーカー、流通関連、販売店などの人間がいないのです。
来場していたのは、みーんなテック寄りな人ばかり。

『スタートアップ向け』と説明されていたから?
はたまた"MIDEM"がIT系イベントとして認知されているから?
…いや、そんなハズはありません、だって"MIDEM"はあくまで「音楽の祭典」というスタンスで開催されていて、加えて音楽業界の次の時代を模索するためのカンファレンスです。
今日のミートアップだって「そのテ」の職種の人が来場することは分かっているはず。
だのに、そこに興味を示す人が『本業』からやって来ないとは。
彼らって、こういうところからアイデアを生み出して、昨今の閉塞した市場をブレイクスルーする必要があるんじゃないの?
てっきり「その業界」の中で次なる一手を求めるアーリーアダプターたちが大勢やってくると予想してただけに、肩透かしを喰らった気分でした。

「こんな小さなミートアップ、出席せずとも上層部レベルで繋がってるから」
ってことなんですかね。
でも、スタートアップは技術を提供できても、業界へ食い込むための道筋は作れない。
だから現場レベルでお互いががっつり手を組まないといけないはずなんですが。

この噛み合ってない感じ、なんかイヤですね。

それでは明日も宜しくお願い致します。