8月6日の日報

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

新大阪〜鹿児島間を結んでいる最新の新幹線、九州新幹線
去年の開通で日本が大いに盛り上がり、誰もが心躍らせた話題のアイツ。それに乗れたとあれば、東京の友人どもにさぞ自慢できるであろう…。そのおNEWな新幹線に乗れる日を私がどれだけ心待ちにしていたか、読者のみなさんは想像できますか?
九州に私用で赴くことが決まったとき、飛行機でピューンと飛べばいいものを、わざわざコストも時間もかさむ陸路にしたのは他ではない、新幹線に乗るためでした。

そして遂に土曜日の夕方、私は新大阪に降り立ち、九州新幹線と初の対峙を果たしたのです。
既にホームに停車していた九州新幹線を一目拝んでやろうとカメラ片手にホームの端へ走る31歳。
「今夜は!」
「オマエを!」
「♪落としてみせーる」
五輪選手も真っ青な三段跳びで辿り着いたホームの先端、振り向き様に切ったシャッターに映し出された勇姿はコレだーっ!

「……?」
あれ、私が今さっき、新大阪まで乗って来た新幹線はコレですが


*1

「え…?」
そして私が今、目の前にしている九州新幹線はコレです。

「ハァハァ……」


ピーヤ?

なんと、九州新幹線は従来のN700系の色違い版だったのです! なんじゃそれー!!

あとはもう、やさぐれの3時間。
日が落ちてしまっているので、車窓からの景色も真っ暗。窓に映る己の般若の形相とひたすら対峙しながら、「なんだよ、九州新幹線、なんなんだよ」とブツブツ呟くのみ。
あんだけ大騒ぎで開通しておいて、ボディは本州のJRからのお下がりか! なにがデザイン最先端のJR九州だ! お前らにはプライドはないのか!

車内のインテリアは全体的に改装されており、確かにカッコよくなってはいるとはいえ、先日の日報に

九州新幹線も随所にこだわりが見られるデザインだと聞いています。(中略)デザイナーとして、企画マンとして、アルティメイト・プロデューサーとしてあれこれチェックしたいと考えています。

と大口を叩いておきながら、チェックする箇所がほとんど無いもんね。
「どうすんだよコレ、東京の奴らに散々自慢してきちゃったよ…」
頭を抱えながら言い訳まがいの愚痴をTwitterで呟くしか、車中ですることが無いのです。悲惨である。

そして目的地・熊本に到着。
(余談ですが、博多からなんと30分強。こりゃスゴい)
「もう!」
と車両にケリでも入れてやろうかと思いながらホームに降り立つと…
「あれ?」
向いのホームに、見慣れぬデザインの車両が止まっているではありませんか。
ボディには『つばめ』の文字。
おや、『つばめ』とな? 私が乗っていた九州新幹線『さくら』とは別の新幹線が…?
まさしくその時です。
手にしていたアイホンの画面ではTwitterが開かれていたのですが、そこに見知らぬ人から私宛のつぶやきが。

九州内では博多で乗り換えて800系か新800系にどうぞ…

なんと、通りすがりのツイッタラーの方が私の九州新幹線に対する愚痴ツイートを見つけ、コメントをくださったのです。
そして、そう、なんと、九州新幹線には複数タイプがあり、最新デザインであるN800系、通称『つばめ』は、


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博多〜鹿児島中央間のみの運行である!

……

トランクス、お前が現代にやって来たせいでタイムパラドックスが起き、本来は存在しなかったはずのN700系ベース九州新幹線『さくら』に間違って乗るハメになってしまったのだよ俺は!

結局、今年一番のハイライトになるかと思われた九州新幹線でのロードto熊本は、
N700系N700系
という、お金も時間も「ドブに捨てた」という表現があまりにも適切過ぎる結果となったのである。

リサーチ不足とはいえ、九州新幹線の最新マシンが「九州から出ない」なんて、そんな閉鎖的だとは想像もつかず。あまりにも高過ぎる難易度に思わず閉口です。
みどりの窓口でチケットを買う時、
「新大阪で乗り換えて熊本まで」と頼んだ時に「これって九州新幹線ですよね?」と訊いたけれど、質問が悪かった。
「これって九州新幹線の最新バージョンですよね?」
と訊くべきだった。
だが、「最新バージョンですよね?」なんて質問、誰がするだろうか。OSのバージョンじゃあるまいし!

年内に再び熊本へ出向く予定は無いですし、空路に比べて何倍もコストがかさむ新幹線をそう何度も選ぶことはできまい。
帰りは時間の都合上、飛行機でブーン⊂二二二( ^ω^)二⊃と帰京。
俺の九州新幹線は終わった。
そう、終わったんだなにもかも。

ちなみに、新幹線ホームが新設された熊本駅の改札がオールホワイトなのが一番アガりました。
それでは明日も宜しくお願いしますたい。

*1:© nakatakaよもやま紀行

*2:www.city.kagoshima.lg.jp