8月1日の日報

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼致します。

先日、ATMで自分の通帳を久しぶりに記帳しようとしたら、「もう記入欄がいっぱいです、このマヌケ!」といわれ、全てを記帳することが出来ませんでした。なんせ私は記帳することが滅多にないものですから、この記帳は実に半年以上ぶりだったりします。なるほど、それではどうしたらいいかというと、銀行で新しい通帳を作るしかないというので、今朝行って来ました。

さて、銀行にて『通帳繰越機』という、その名のとおり通帳を繰り越すためのマシンを利用するわけですが、こいつがまたスゴい。
普段どおり通帳を機械に入れると記帳を始めますが、記帳欄がいっぱいになると自動で新しい手帳を発行し、続けて残りの分を記帳してくれるという機械なのです。

私、前々から思っていたのですが、この通帳繰越機もそうですが、通帳に記入する装置って一体どんな仕組みなのか、不思議ではありませんか?
だって、記帳する行を正確に読み取って、そこに数字を印字していくわけです。記入欄からはみ出すこと無く正確に記入していくってだけで凄いな〜と思うのに、
さらに、さらにですよ?
そのページの欄がいっぱいになったら………なんと、これはもはや驚嘆の域を超えて軽い絶望すら覚えるのですが、こともあろうに、この機械は!
いっぱいになったページを!

1ページだけめくる!

アンビリーバボッ!
ただでさえ自分が開きたいページがなかなか開けず、逆に癖がついて開きやすくなったページが開いてしまって「オマエじゃねーよ!」とイライラすること、ありませんか?
複雑な作業をするために進化を繰り返して今日に至る人類の10本の指を駆使してさえ簡単には開けないもの、それが『通帳の開きたいページ』なのです。
にも関らず、この通帳記入マシンはいともたやすく、そして確実に一発で次のページをするっと捲りやがる。
「一体このマシンの中にはどんな最新テクノロジーが……」
通帳を記入している間、なんとかしてこのカラクリを見抜いてやろうと考えた私は、躍動するマシンを病的なまでにじっと見つめ続けておりました。
なんせ半年分…いや、ひょっとして1年ぶりじゃないかと思えて来るほど記憶が定かではないレベルの分量を記帳するのですから、これは自慢ですが非常に時間がかかります。おかげで、記入動作のパターンを見抜くには充分な時間を得られた。
とはいえ、どれだけ通帳繰越機を見つめても、見た目はただの箱です。箱をじっと見つめれば見つめる程、周囲の人々の私への『この人、きっと思い詰めてるしヤバい』感は強くなり、店内警備員のアテンションを必要以上に集めてしまう事は避けられぬ。
そこで私はその『音』に注目しました。機械の動作音からその動きを推測し、秘密のヴェールに包まれたメカニズムを突き止める魂胆です。
そして「ウィーウィー、ウィーウィー、ウィー」が何回か続いたあと、「パラパラッ」と音がする時があるのを突き止めました。恐らくそこでページを捲っているのでしょう!
恐らくそこでページを捲っているのは間違いないのですが、だからなんなんでしょう、私には何をどうすることも出来ない。
しかし、その「パラパラッ」の音が聞こえる度に「この瞬間にあんな薄い1ページを見事に捲っているーっ!」と私の胸の鼓動は早まるのです。
間違えて2ページ捲っちゃったりすることはないのだろうか。

ジャキン!と飛び出して来たおニューの通帳。やばいぜ、なんど読み返してもミスなし。完璧な仕事をしてやがる。
あとでザックリと調べてみたのですが、そもそも「銀行通帳」というのがあるのは世界広しといえど日本くらいなものらしく、他国では一体どうしているのか分かりませんが、とりあえず『通帳制度があるのは日本くらい=通帳繰越機があるのも日本くらい』ということは分かります。

私は思います。
こんな難しい作業を自動で行なえる機械を発明した日本が、世界ごときに負けるわけがない、と。
さらには、通帳文化の有無による背景からして競合相手がほぼいないという天国のような状況にいるわけです。今、世界の競争に遅れ気味な我が国日本は、この通帳繰越機をベースにした開発を進め、
「その1ページ、自動で捲るならJAPANにおまかせ」
というエッジの立った戦略を持ってして海外市場に乗り出していくべきである。

いやはや、通帳繰越機の内側に日本の輝かしい将来を垣間見えました。
これを作った人は本当にブッ飛んでますね、通帳繰越を自動化しようと考える時点でプロジェクトX
冗談っぽく言っていますが、本気で「日本の強みはココだよな〜」と思います。
それでは明日も宜しくお願い致します。

この記入マシンとは別に、『電車の切符を買うマシンって、なんで10円玉と100円玉を区別できるの!?』も不思議です。