7月18日の日報

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼致します。

突然ですが、「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトをご存知でしょうか?
コピーライターでもある糸井重里氏が主催するサイトでして、私は21歳くらいの時にこの「ほぼ日」を知り、すぐにそのコンテンツにゾッコン惚れ込んでからというもの、毎日毎日取り憑かれたように読み耽っていた時期が長く続きました。
Tシャツを購入したり、ほぼ日主催の講演会に行ったり、バレンタインイベントに野郎2人で参加したり……そこで得た知識と経験は今の私を形成する上でもとても大事なパートを占めているほど、思い出深いサイトなのです。

ただ、いつでしたか、だいぶ前にサイトリニューアルをした辺りからだったと記憶していますが、
徐々にオリジナルプロダクトを作り販売するようになり、確かに企画力・商品クオリティ・プロモーション展開、どれをとっても勉強になるのですが、全てのコンテンツが「販売へ誘導する」内容になっていったように感じ、そこに幻惑と失望を覚えた私は読むことを次第にやめ、気が付けば「もう全く読まなくなったから」とブックマークから外すほどになっていました。
もう3、4年くらい前の話です。

ところが、数日前に「そういえば」と、フと思い出して「ほぼ日」を覗きにいってみたら、やっぱオモシロイことやってたんですね。感嘆と悔しさの混ざったの溜め息。
モノを作って販売するスタンスは変わってはいないものの、その商品企画・開発力をみていると、今の自分の環境になってはじめて気付かされることもあります。
なにより「参った!」と思い知らされたのは、
なにも変わっていない、
というところでした。

上述のマネタイズやコンテンツの方向性、スタンス。そしてサイトそのものも数年前から変わっていない。
いや、3.11など色々な外的要因があったはずで、それに伴った反応も強制的に迫られてきたはずの彼らが、しかし過剰なリアクションを身に纏うことはせずに今まで通りの状態を維持して来た、と言うべきでしょうか。
(ほぼ日のコンテンツは、都度世の中の時事を反映させているので)
イマドキのWEB界において、サイトの寿命なんて3年くらいでしょうか。著名なHPになるともっと頻繁に話題づくりという名のリニューアルが使命になりがちです。
そんな風潮に対して逆行ともいえる挑戦ですね。まぁ、変えたくても変えれない、などの事情があるのかもしれませんが、私はとにかく妙な感動を覚えました。
変わらない、ってのもひとつの立派な選択肢ではないでしょうか。

また、糸井氏の毎日コラムも健在で、その内容が「いつもどおり」だったのを読んだとき、ホッとしました。
「そこにいくとそれがいつもある」という状況に人は安堵を覚える、といいます。海外旅行先でみつけたマクドナルドやスタバなどになぜか入ってしまうのは恐らく安心を求めているからなのでしょう。
そして、笑っていいとものタモリが多くの人から尊敬されているのは、その「いつもどおり」を続けることがどれだけ大変かを、みんなもどこかで理解しているからかもしれません。
糸井氏のコラムも「わ、まだちゃんと書き続けていたのか、なんかホッとした、ありがとう」と思わせてくれるだけの『積み重ね』に裏打ちされた「いつもどおり」なのでした。

うーん、数年ぶりに訪れたホームページを前に、腕を組んで色々と考えさせられてしまいました。
あれから自分だっていろいろと変わって来た今、改めて勉強できることがあるのだなと実感します。
(以前は狂信的でしたが、今は適度な距離感で付き合えるからなのも一因でしょう)
自ら「なんか違うわ」と距離を置いたはずの古巣に舞い戻った身なら、意地のひとつでも張るべきところなのでしょうが、ここはそうも言ってはいられない。
再びブックマークに登録するのに、なんの躊躇もなかったと正直に告白します。
また明日の11AMが楽しみです。

それでは明日もほぼ宜しくお願い致します。