7月10日の日報

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

先日の日報にも書きましたが、最近になって職を変え、つまりは職種も(同業界ではあるものの)今まで経験したことのないスタイルに変わりました。
色々な「初めて」に囲まれた環境に身を置いているわけでして、こういう状況ではとにもかくにもインプットが先決であり重要でもあります。

そこで本を読もう、ということになり、そんな私の胸の内を読んだのか、週が明けた月曜に出社してみると、デスクの上に本が数冊重なっておりました。
上司であるO氏が置いていったであろうことは明白。
やれビジネスがなんたら、やれマーケティングがどうたら。
どれもハードカバーサイズの分厚い本たちです。
私には勉強する意志があり、O氏もそんな私に期待して本を置いてくれたのです。泣けるではないですか。
しかし、ここでO氏は大きな過ちを冒していた。

この私の、遅読スキルをみくびらないで頂きたい。
私の本を読むスピードの遅さ、亀の如し。
亀は万年といいますが、まさしくこの量の本を読了するなら1万年はゆうに要するのです。

予め断っておくと、私の趣味は「読書」です。
22歳の頃に「読書はモテる」という厳然たる事実に気付いてからというものの、必死に本を読んで読んで読み倒してきました。そしてことある毎に「趣味ですか? う〜ん、読書、かなぁ」とのたまってきたのです。(趣味を訊かれる機会がないのがボトルネック
ところが、周囲の読書好きな人たちと読書トークをしたり、SNS上で彼らの読書ライフを目の当たりにするうちに、あることに気が付いたのです。
読むペースが違う、と。

「みんな、待ってよ!」
順位は最下位とはいえ、『最後まで諦めない!』がポリシーの私は、トラックの遥か先をゆくランナー達を追って一生懸命ひた走ってはいたものの、ついに彼らの姿を見失ってしまった……と思ったら横からビューン(^o^)三 と通り越されたような、最初は「なにがどうなっちゃってんの」状態でしたが、やがてそれがただの周回遅れであることに気付いた私は、なぜこんなに差を空けられてしまったのかを考えました。

読むスピードが遅い、というのは、活字そのものを目で追う動きが遅いだけではないのです。
例えば、読みはじめるのが遅い。
俗にいう積読ですが、私はこれが顕著にでています。買って来た本をポンとその辺に置けば、次に表紙を開くまでに平均1〜3ヶ月はかかります。例えそれが大好きな作家の最新作であったとしても。
何故か?
それはわからない。
買って来てから「さ〜読むぞー」と思っても、気が付けば闇金ウシジマくんを読んでしまっているのです。恐るべし、ウシジマくん!

さらに言うならば、集中力がない。
ノロノロと2〜3行読んだとしましょう。するとそこで一旦顔をあげ、その小説に描かれている情景を思い浮かべたり、セリフの声色を想像したり。
はたまたビジネス書の格言などと出会った日には、大企業のプレゼンの最後に「船は港にいれば安全だが、それでは船の用をなさないのです!! byケインズ」と自分でも意味がよくわかっていないのにその名言を声高らかに吠え、錚々たる重役たちをタジタジにするシーンを夢想してしまうのです。
これは私の類稀なる妄想力が裏目に出てしまったケースであり、集中力があるのかないのかよく分かりませんが、とにかく読んでは妄想、読んでは妄想、を繰り返す夢みる三十路と化してしまうのだ。
これでは読書が捗るわけがない。

トドメをさすのが、「読む気をなくす」という根本的な問題です。集中力が切れる、の最上級の技です。
おもしろい本なら、こんな私でもスラスラ読んでしまうことでしょう。事実、過去に何冊かは文字通り寝食を忘れて読み耽り、わずか1日で読了してしまった本がある。
ところが、特にO氏が私に託していった本たちは、その小難しいタイトルを見るだけで「ウェ〜」と嗚咽を漏らすほど興味がわかない。小説ならまだしも、読み慣れないビジネス系レクチャー系の書籍たちに、私の食指はこれっぽっちも動かないのだから困ったものです。
例えば先日借りて来た"IA(Information Architect)"にまつわる指南書などは、読んでいるうちに「なにがなんだかサッパリだ!」とイライラしてしまい、はじめはスタバにて周囲の客たちに見せつけるように意気揚々と読み始めたにも関らず、10分後には静かに本を閉じて窓の外をゆくギャルを微笑ましく観察していたのでした。
その指南書は、界隈では名著と評されているにも関らず、です。
おもしろい本をおもしろく読めない、というひたすらダークマターな我が性格ゆえの問題なのかもしれませんし、単に私の魂の器がこの名著に遠く及ばないだけなのかもしれぬ。
一応、これらの本たちの読破を目指す所存ではあるものの、遅読を越えて挫折の次元へと早くも足を踏み入れたこの私の新しい職場での運命や如何に。

それにしても、この遅読スキル、自分のこととはいえ一体どうしたものでしょう。
こういったレクチャー系の本であれば、『読書』ではなく『授業』だったらマシなのかもしれません。対人式であれば「つまらないから読まない」とも言えませんし、耳と目で追いかける内容はもっと軽やかに脳みそに入って来るでしょう。
しかも、
もしそのお相手が、
無駄に露出度の高い、
GALティーチャーだったら、
お父さん、お父さん!
どうします?

「せ、先生、"IA"ってどういう意味ですか!」
「もう、日報くん、この前も教えてあげたでしょ?(うっふ〜ん)」
「わ、忘れてしまいました!(嘘)」
「しょうがないわね、教えて上げるわ(あっは〜ん)」
「ハァハァ!」
「"IA"はね、『慈しみの愛』のことよ♡♡♡」
「ギ、ギルガメッシュ!(バタッ)」

O氏の私への期待が、線香花火のように弱々しく消えて落ちる日は近い。
それでは明日も宜しくお願い致します。

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

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