3月11日 復興の進捗どうですか

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

昨日の日報にも書いたように、今日は日本列島総エモいDAYだったかと思います。
いろいろなニュース、コンテンツがポイポイ目に飛び込んでくるなかで、私も気になった事柄……とりわけ復興関連についてちょいと調べてみました。
調べるといってもパッとGoogleしただけなので浅いですが、数字などのデータで俯瞰するとわかってくることもまたあるもんです。

復興、進捗どうですか!

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1.
3年経って人々の意識はどうなのか。
NHKが行なったアンケートのレポートがとても参考になります。
震災3年 被災地1200人の声

震災時に暮らしていた地域の復興について尋ねたところ、
「進んでいる実感が持てない」と回答した人が44%と最も多く、
次いで、「想定よりも遅れている」が36%と、復興のスピードに不安を感じている人が合わせて80%に上っていた
(※被災した方々へのアンケート)

これに関連しますが、ちょうど先週末にNHKテレビで宮城県女川町の再開発を追ったドキュメンタリーが放送されていました。
なんやかんやと様々な問題が次から次へと紛糾しているようで、行政と事業会社による会議において
「○年ほどビハインドになると思われます」
と報告されているシーンが印象的でした。
1〜2ヶ月どころの話でなく年単位で遅れているもんですから、関係者も皆渋い表情で、理想どおりにいかない現実に歯痒そう。
未だに8割の人々が不安・疑心を抱いている、というのは、メンタルでも彼らをケアできていない証拠かもしれません。
疑心の根源は直接的には行政かもしれませんが、しかし私や皆さんを含めた世論もまったくの無関係ではないと思ったり。

未だ26万人が入居しているという仮設住宅に絞ってみると、経団連の米倉会長曰く
公営住宅の着工を加速していかねばならない」
ということですが、先述のドキュメンタリーを観た後ではなかなか「行うは難し」に思えます。

時間が経過すればするほど、現場と外部による認識の乖離も進んでいるように見えるのは私だけでしょうか。

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2.
ちなみに、おカネの問題。
「そういやアレってどうなったの?」という復興費流用問題について。

(2013年)10月、東日本大震災の復興予算で実施された1401件の事業を調査していた会計検査院は、被災地復興とは関係のない事業が326件、金額にして1.4兆円に上っていると報告した。
〜中略〜
そのうち35事業は廃止されたが、288事業は事業完了もしくは現在継続中となっている。
Yahooニュース- 被災地復興予算、なぜ1.4兆円が無関係事業に流用?一部は東電救済に充当の可能性も

復興予算により地方自治体や公益法人が設置する復興関連基金(2兆8674億円)のうち、実際に使われたのは8244億円(28.7%)にとどまっていることも取り上げている
(同上)

また別のニュースでは、

復興庁と財務省は29日、東日本大震災の復興予算が自治体などの基金を通じて被災地以外に流用されていた問題で、全国の都道府県などに返還を求めていた未執行分1017億円について、7月31日現在で約7割の718億円が返還される見通しとなったことを明らかにした。両省庁は、残りの額についても引き続き返還を求める。
Yahooニュース- 718億円返還へ=基金通じた予算流用問題で

かなりグダってる模様です。
一度こうなると、このまま有耶無耶になるパティーン。復興費あるある。

被災地ではカネで解決できることも多々あるだろうからこそ残念です。
これってプライオリティの高い問題だと思うんですけどね。
「3.11を忘れない」の中にはこういう側面も含まれるべきです。

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3.
翻って私たちに今できることはなんだろう?
ひとつはボランティアかと思うので、それについて。

社協のまとめた資料によりますと、これまでのボランティア参加者数の推移は以下になります:

災害ボランティアセンターで受け付けたボランティア活動者数の推移(仮集計)

平成23年3月 63,800人
平成23年5月 182,400人

平成25年12月 6,400人
(宮城・岩手・福島の3県合わせて)

GWのあった震災直後の5月がピークのようですが、1年目くらいの冬に一度失速すると、それから10万人/月を越えることはありませんでした。
(冬は雪の影響で作業ができなくなると聞いたので、自然と参加者数も減ったのでしょう)
合計参加者数は去年末までの時点で約130万人。「ボランティア元年」と呼ばれた阪神淡路大震災のときは、発生から3ヶ月後の時点で100万人を越えていたといいますから、数=ペースは下回っています。
まぁ、数が多けりゃいいという単純な話ではないのかもしれませんが…。

私がブックマークに入れているボランティア募集サイトでも、2012年、2013年で最終更新が止まっているサイトを数多く見受けられました。
今でもアクティブな募集サイトでも最大手の『Yahoo!ボランティア』をザッと眺めてみると、被災地でのボランティア活動の内容としては、

  • 現地での交流会イベントの手伝い
  • 農業・漁業のお手伝い
  • ボランティアセンターの手伝い

などなど。
瓦礫撤去などのハード系の募集はほとんど見かけず、ボランティア活動は次のフェーズ(ソフト系)にほぼ移行したようです。

とはいえ、ボランティアに来られて困るところはまだ無い状況みたいですし、「いまさら…」なんて言わずに参加を検討されてはいかがでしょう!
→「東日本大震災3年:九州の学生団体、今もボランティア活動」

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4.
長々と書きましたが、ちょこちょこ調べた限り、復興がスムーズにいっていないことは実感できました。
でも世論のアクションにはあまり焦りが無いように思えもします。
ボランティアの話じゃないですけど、アマチュアにできることが減ってプロにお願いする段階になり、どこか他人事に感じはじめてるのかもしれません。
(それを否定はできないです、私がその一人ですから。あくまで問いかけとして)

「ボランティアも減って、募金の使い先も不透明。これじゃあ毎年3月に瞬間風速で盛り上がるキャンペーン(ヤホーの3.11検索など)以外に出来るアクションが無いのでは?」
と腐ってしまいがちですが、
よくよく探してみると、日頃から現地を盛り上げようと活動する人たちがいたりするのです。
ハード面で復興に寄与するのとは別次元かもしれませんが、しかし彼らを介して復興支援する方法もあるんだと、私にはとてもリアルに感じます:

助けあいジャパン
↑このサイトだけで十分に情報を収集できる、お役立ちサイトです

遠野まごころネット
↑何回かお世話になったボランティアセンター。規模は縮小しつつも、まだまだ現場で活動されてます

ISHINOMAKI 2.0
石巻を震災前の状況に戻すのではなく、新しいまちへとバージョンアップさせる多種多様なプロジェクト

石巻の次世代を担う若者を対象に、ウェブデザインやソフトウェア開発を学ぶ為の拠点「イトナブ石巻」

高校生がつくるいしのまきカフェ「 」(かぎかっこ)
↑若手育成の未来投資には大賛成です、真の復興は彼らの手にかかっている!

いわてのテとテ | 岩手と世界の手と手をつなぐメッセージボード
↑最近は更新が少なくなってましたが、今日になって最新コンテンツが公開されてます。未だに健在なのが嬉しい

TETOTEONAHAMA
福島県小名浜から地産クリエイティヴ情報を発信するウェブマガジン

Hack For Japan
↑震災復興や今後の災害への備えをIT開発によって支援する、開発者を中心としたコミュニティ

ハビタット ジャパン
↑世界で活動しているボランティア団体の日本支部。住宅支援に特化しており、「建てる」作業を継続的に行なっています

……他にも有名どころがある気がする……しかしいっぱいあって思い出せない。
「いっぱいあって思い出せない」ってくらい、活動してる方々がおります。雑誌とかブログとかで見たもん。思い出せなくて申し訳ない。

彼らの存在をSNSを通して誰かに教えてあげたり、クラウドファンディングに協力したり……。
そんな風にさらさらとしたサポートが積もりに積もって、停滞に喘ぐ被災地復興への助力になれば、それが私たちの「3年目の役目」なのかな〜と考えたり。

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5.
震災から1,095日目の今日に私は何を思ったか。
「進捗ダメです」
というのと、
「でも、インターネッツのある時代でよかったですね!」
の2点です。
焦りが少ないと書いたものの、各々できる範囲でモソモソ復興!
インターネッツで元気に情報共有、知らずしてお得な機会なし!

来年の今日も「進捗どうですか」と問いかけますので、グッとくる回答に期待しています。
それでは明日もよろしくお願い致します。

【追記】
選挙に行くことも、立派な復興支援だと思います。

2014年の流行語候補?「進捗どうですか」がジワジワ流行中 - NAVER まとめ