10月4日の日報 開かずの○○ の巻

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

仕事中に個人で音楽を聴く時は、イヤホンをつけてとことん自分の世界に浸るのですが、逆にイヤホンを忘れてしまうとその日の気分が乗らないリスクもあります。

なので、仕事場にイヤホンを常備しておけばよいとAmazonで探してみました。
決して音響マニアでもないのですし、最近のイヤホンは安くても音はいいので、2,000〜3,000円のレンジで色々とレビューを判断基準にしてイヤホンを見ていたら、ある1つのイヤホンに目が留まりました。

それはケンウッドのイヤホンなのですが、なにが気になるってそのレビューの内容。

なにがどうしてこんなに難攻不落なパッケージになってしまったのか、困ったを通り越して、箱と格闘しているうちに笑ってしまうくらいでした。
真剣な話、開封の際には軍手着用をおすすめしますし、説明書のとおりにハサミを使っても、切るというより砕くという感じで破片は飛び散り箱は原型をとどめませんし、ハサミも丈夫なものでないと刃こぼれしそうです

箱の頑丈具合には爆笑した

箱 頑丈すぎ!!開けるのに結構かかった

箱があまりに頑丈で、開封がもの凄く大変でした。説明書通りにハサミを使って開封しましたがなかなか切れない・開かない…。そのことさえ除けばとても良い低価格イヤホンかと思います


ほう。

なるほど、そんなに「開かないパッケージ」と言われると、逆に開けたくなるのが人間の性。
音質も阿呆ほど悪くないというので、ならばということで「ポチッ」としてみました。

これである。
G-SHOCKを彷彿とさせるタフなデザイン。
赤と黒の配色もまたヘヴィーだぜ。

裏を見ると
「必ず添付の『開封方法』をお読みください」
の注意書き。
開封方法』をわざわざ取り付けるあたり、クレームが殺到したのだろうか。
それとも、パッケージを制作した工場の人が、本社の人間に内緒で取り付けている「優しさライセンス」なのかもしれない。
それくらい「覚悟が要る」ということなのだ。

恐る恐る『開封方法』を開いてみる……と、あれ? 意外とシンプルですね。
ハサミで周囲を切れば良い。だけ。
なんだ、簡単じゃない。一体みんなは何をそんなに騒いでいるのだろうか〜?

(3分後)
「開かねぇ……!!」

周囲をパッツンと切り落としたのに、全力でパカッとしようとしてもビクともしない。
切り込みが浅かったのだろうか、心のどこかにパッケージに対する情が芽生えていたのかもしれない。
私は一切の感情を押し殺し、冷酷にももう一度周囲を切り落としはじめたのだった。
「俺はオマエ(パッケージ)を開けなきゃイヤホンを取り出せないんだ、悪く思うな」

五右衛門の斬鉄剣でも切れなかったパンドラの箱を彷彿とさせる「それ」は、ぜえぜえと息をあげる私の目前で余裕の表情で鎮座し続けている。
「もう切る箇所無いってくらい周囲を切ったぞ、なのに……なのになぜだぁ!」
「それ」がニヤリと語りかける。
「さっきまでの勢いはどうした……笑えよ、伊藤?」
机を叩いて歯ぎしりする私。

どうやら、工場のおじさんが優しさで添えてくれた「開封方法」では、実際にこのパッケージを開けることはできないらしい。
「ならば……」

私はパッケージの内側へとハサミを突き立てた。
どうだ、ここから切り込むことで指を入れる隙間を開け、中側から貴様を切り裂いてくれるわ!

……と思ったのだけれど、固ってえのなんの。
両手でハサミを握り潰そうとしても、これ以上刃が入りません!
これなに、ほんとにプラスチックなの?
伝説の金属オリハルコンじゃなくて?

パッケージに対して垂直に刃を立てたところで人間の握力では切れないと悟った私は、ハサミの片側の刃でパッケージを

「ブッ刺す!」

2,000円くらいのイヤホンのパッケージを開けてる人間にはとても見えない光景。

「ブッ刺す!」
「ブッ刺す!」
「ブッ刺す!」
ブッ刺しまくったら、なんとかゴールへの道が見えてきた。

ブッ刺した隙間から刃をグリグリと入れ込み、表面に対して平行な角度からギリギリと切り刻んでく。
「俺は確か、イヤホンを開けようとしてるんだっけな」
何度か自分で自分の行為を確かめた。そうしないと気がどうにかなりそうだった。

バキ! グッシャァア!!
「やった、やっと開いた! イヤホンに辿り着いたよ!」

って、ここからまた固い!!

パッケージにも意地があるのか、半分まで開いただけではイヤホンを取り出させてもらえない。
「なに、これ、スッゲ、固って……!」
腕力で取り出すことを諦め、大人しくハサミでさっきと同じように切り開いていく。
「イヤホンまで切っちゃったらどうすんのコレ」

そして遂に「ジャーン!」と取り出しに大成功!

……したのだが、私の表情は暗い。
「試合に勝って勝負に負けた気分だ」
地上を制覇した人類が、自らの手で創り出したプロダクトにここまで翻弄されるとは。
「なんか、なんかおかしい!」

映画『ターミネーター』ではないが、人類がマシン(パッケージ)によって殲滅されるという未来のストーリーもあながち馬鹿にはできなくなってきた。
というか、この強固なパッケージは、イヤホン以外の、もっと大事に守るべき何かに、活用されることを、願って、やまない、真に。

ケンウッド、それは「開かずのパッケージ」という前代未聞の技術を世に生み出してしまった。
私はただただ、恐怖に身を震わせるばかりである。
今はただ、この技術が悪の組織の手に渡らないことを祈ろう。

それではよい週末をお過ごしください。

JVC HA-FX1X XXシリーズ カナル型イヤホン ブラック

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