5月31日の日報 これは、昔の自分に決別しようとする男の物語 の巻

昨日の日報、というよりも今日のことなのですが、
なんと、フットサルデビューをすることになりました。

これを聞いた中高生時代の友人ならば、皆が
「そんな無茶な!」
と机バンすることでしょう。
なぜなら、私は地元ではちょっとしたスポーツ音痴で有名な男だからです。

体育祭の100m走では、せいぜいビリから2番目。
水泳にバタフライのテストがあれば余裕の失格。
ボウリングではスコア「44」を出したことも記憶に新しい。

体育の授業でサッカーなんぞあろうものなら、
私が「パースパスパス!」と、どれだけフリーをアピールしたところで誰も私にパスをしてくれる者などおらず、文字通りの「空気」、つまりエアでした。
以前の日報にも書きましたが、
『エアジョーダン(冗談みたいに空気だよなアイツ、の略)』
の異名は伊達じゃない。

そんなダークマターたっぷりな青春時代を謳歌した私であったが、しかし三十路を迎えたここにきて、まさかのフットサル!
誘われた当初は「やだよ、わざわざ恥をさらしにいくなんて!」と拒否しかけたのですが、
しかしそこで私は思った。

十代の頃は運動センスに大差あった。
しかし三十路前後の同世代のメンズにとっては、よっぽど普段から趣味でスポーツしている人を除いて、いまさら運動能力に高いも低いもクソもなかろうて。
暗黒時代を微塵も感じさせないほどのクールな顔で黙ってプレイすればよい。
「あの伊藤って新顔、一体何者!?」
颯爽と登場するや否や、キレッキレのプレイで話題をかっさらっていくのも悪くない。
リフティングがせいぜい3回しかできない我がボール捌きは一旦置いといて、
「パースパスパス!」
そうやって明朗に声をだしてプレイに参加すれば、「こいつはスポーツ経験者だな」と周囲も思ってくれるはず。

「スーツのズボンが履けないからといって、ズボンのボタンだけ外し、そこをベルトのバックルで隠そうとするような男がなにを言うか」
そんな反論が聞こえてきそうだが、しかし。
「多分に汗をかくことでのみスリムなボディは手に入る。諸君、ズボンのボタンをしめる日は近いぞ」

さて、
読売ヴェルディの『Jリーグ20周年記念 プレミア限定 復刻版ユニフォーム』をバッチリ購入したのち、自宅にてそれを着ながら鏡をチェックし、
「ふふふ、俺は武田か? ラモスか? はたまた柱谷か〜? 違うな、俺はキングカズだ!(カズダンス)」
と、往年のスター選手に自己を重ねて陶酔するのも無事完了。準備は万全である。

ところが、
前夜(昨夜)になって
「フットサルは都合によりキャンセルになりました」
の報せが。

どびっしゅー!
なんということだ、読売ヴェルディの『Jリーグ20周年記念 プレミア限定 復刻版ユニフォーム』のデビューが!
あまりのショックに私は激おこぷんぷん丸となり、あまりにぷくぷくしたせいでお腹までプクーと膨らみ、ズボンのボタンのある辺りがきつくなってしまった。

しかし、同時に内心ホッとした私もいたのです。
「はじめてのバッティングセンターで試しに20球挑戦してみたが、19空振り1チップで終わり、それから二度とバッティングセンターに行くことはなかった」
そんな私が、人様に混じって共にボールを追いかけたところで、すぐにメンバーから「コイツつかえねぇな」と思われ、誰もパスをまわしてくれず、次第に空気のような存在になり、最後は「(あいつ、冗談みたいに空気だなw あ、どんどん透明になって消えた!)」と周囲から小馬鹿にされることになる可能性は極めて高い。
そんな生き恥さらすくらいなら、キャンセルになってくれてむしろ喜ぶべきだ……

いやしかし、一度でいいからこの読売ヴェルディのユニフォームに袖を通してみたい。そして「キングカズはこんな気持ちだったのか」と感じてみたい。
まだ値札のタグもついたままの読売ヴェルディJリーグ20周年記念 プレミア限定 復刻版ユニフォーム』。
こいつがいる限り、私はフットサルへの夢を諦めない。
諦めない、というか、値段分のモトをとりたい。

今回は中止となってしまいましたが、ぜひ近いうちにフットサルに挑戦してみようと思います。
「おい、誰だあの時代錯誤してる緑の男は。キレッキレやな!」
そう呼ばれる日を目指して……

それではみなさん、良い週末をお過ごしください。

ちなみに、手は右利きなのに足は左利きな私は、きっと貴重な戦力になることを約束しよう。

両足キッカーを目指せ!! 新版 ~フットサル&サッカー 1週間で右も左も自由自在~

両足キッカーを目指せ!! 新版 ~フットサル&サッカー 1週間で右も左も自由自在~