1月16日の日報 ビックリ新感覚マーケット戦法 の巻

お疲れ様です。伊藤です。本日はこれにて失礼いたします。

今日の昼に打ち合わせから帰る際、仕事場の最寄り駅前にあるコンビニにフラリと立ち寄りました。

「なんだかとてもお菓子が食べたい!」

昼食は外で済ませていましたが、そのあとのデザート的な、甘いものを体が欲していたのでしょう。
そこでコンビニのお菓子コーナーを物色していました。

不思議なもので、お菓子コーナーに立ち入って最初に目にする商品が『チョコ系』か『ポテチ系』かによって、そのまま買うお菓子の系統が極端に偏るのは私だけでしょうか。
今日は突然『チョコパイ』が視界に入ったので、私の脳内おかしスイッチもチョコモードにON。
そのままチョココーナーを物色していると、棚の上段に『ビックリマンチョコ』を見つけました。

ビックリマンチョコ』。
私が小学生の頃は、ビックリマンシールが社会現象となるほどのブームでした。
しかし、時間が経つにつれ、そして当時シールを死に物狂いで集めていた少年たちが歳をとって大人になるにつれ、我々の世代はある事実に気付きます。

「…ビックリマンチョコ、マジうまいんスけど?」

シールしか眼中になかった頃とは違い、精神的余裕を手に入れた我々にはむしろシールなど子供の暇つぶしとしか思えず、そう、あのチョコ本体こそに至上の価値を見いだしました。

その実、本当に美味いのです、ビックリマンチョコ
なにからなにまで、完璧だ。「もう1つ欲しくなる」絶妙な量も子憎たらしい。
そんなビックリマンチョコを久々に見たのだから、私の口の中にはじわ〜っと涎が広がります。

しかし、ビックリマンチョコには、美味しいからとパクパク食べまくるわけにはいかない重要な秘密……といっても、既に誰もが知っている事実があります。
それは、値段である。
「この内容で、こんなにするの?」
昔はもっと安かったのが、徐々に値上がりを重ね、いつのまにか子供向けとは思えない単価へと変貌を遂げた恐怖の激ウマお菓子、それがビックリマンチョコなのです。

「そりゃ安いとはいえ、確かそれなりの値段だったよな〜。幾らだっけ?」
そう思って値段を調べようとしたのですが、
なんと、このコンビニ、

値札を意図的に外しておる!

値段ポップを入れる小さい透明プラスチックのホルダーは、虚しく向こう側の風景を映し出しています。
「!?」
慌ててビックリマンチョコそのものを手に取り、嘗めるように見回しましたが、パッケージには値段は書いていないんですね!
「これ…マジでいくらなの?」

孔明の罠とはまさにこのこと。
美味そう、食べたい、
でも値段がわからない。
わざわざレジに「ビックリマンチョコって幾らですか?」と訊きにいくのも憚れる。
「ええい、どうせ○十円とかだろ、買ってまえ!」
……いいカモです。

なんとなく高い印象を持たれていても、しかし実数値を見せなければ「どうせ駄菓子だろ!」とヤケクソで買ってしまう消費者心理。
オトナの経済力を見透かした大胆な戦法、これぞ別の意味での『大人買い』なのです。

「してやられた! モグモグ」
そんな私も、つい2コも買ってしまいました。
2コも買うどころか、
「ええい、ついでにオマエらも道連れだ」
と、ポッキーやらなんやら、あれこれお菓子を買ってしまう始末。
恐るべき敏腕マーケッターの前に、なす術もなく完敗を喫した日でした。

……ちなみに、
もう興味がなくなったとはいえ、ビックリマンシールもチラチラと気になるのが本性ってもんです。
「これだけ金払ってやったんだ、ヘッドロココでも出たら許してやろう!」
そう意気込んで、バリバリー!と開けた袋から飛び出したのは、

私の屈辱をあざ笑うかのような小者でした。
ヘッドロココを当てるまで、この怒りは収まらんよ。

それでは明日も宜しくお願いいたします。