8月21日の日報

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼致します。

みなさんは"One Voice Campaign"という運動をご存知でしょうか。

http://onevoice-campaign.jp/

これは「選挙におけるインターネットを解禁しよう」という目的のために立ち上げられた団体・運動です。
立ち上げ当初から名だたる政界人、知識人や著名人が賛同者として関わっていたことで話題となり、2012年4月の発足時にSNSでブワーっと拡散されたのは記憶に新しいです。
そのブワーっぷりからしても、このテーマが多くの人々に渇望されていたものであることが伺えます。

さて、5月に"One Voice Summit"と称した公聴会衆議院議員会館にて開催され、運営団体が招致した政治家パネラーによる討論が行われました。
Ustream配信やTwitterでLIVEつぶやき推奨など、これまたITを駆使したこともあって、この第1回公聴会もあちこちで取り上げられておりました。(WEB業界のみでしたが)
その日は
超党派議員の働きかけで、法案を今期国会中に提出して、選挙活動におけるインターネットを解禁できるよう頑張ろう!」
と満場一致で盛り上がり、Ust視聴も結構な数を記録したりして、
「うおおお、これから日本は変わっていくぜ!」
と、公聴会に参加した私は感動を覚えたものです。
ITが政治を、つまり私たちの暮らしを変えていくだなんて、そんなSFチックなことが射程距離内にあるって面白くないですか?

そして3ヶ月ほど経った今日、その第2回目公聴会が開催されたので、これまた参加して来ました。
驚きますよ、その勢いの失いっぷりに。

ここから書くのは私が個人で体感したことですし、私としてはこの運動は是非解禁を実現させるために頑張っていって欲しいと思っています。
が、
「こうまで人の興味は醒めやすいものか!」
と怖くなるほど今日は盛り上がりに欠けていた。
そもそも、第1回サミットが終わってから"One Voice"の活動内容が今ひとつ伝わって来ていないせいで、運動自体の勢いが減っていることに焦りを感じた運営側が、急遽この第2回を開いたというのを聞きましたので、告知が十分でなかったという背景もあります。
とはいえ、前回より小さくした会場に、それでも席が埋まっていたのは7割くらいでしょうか。
Ustreamの視聴数も前回を大幅に下回っていたようです。

さて、私はこの現象を、「政治が」とか「選挙が」というのを全てナシにして、
【あるひとつのプロジェクトが失墜していく様】
を間にあたりにしているという意味で非常に注目しています。
どうして最初にあれだけ周囲の熱量に押し上げられて話題となり、且つ多くの人々の共感を得ることに成功したものが、わずか3ヶ月でこんなに忘れられるのか。
※注 「失墜」とか「忘れられる」と書いてますが、あくまで過程のことですから、結果が失敗になるとは考えていませんし、先述のとおり、この運動には成功して欲しいのが本音です。

前回公聴会で7500の「イイネ!」を得た、という実績がありますが、この盛り下がりを鑑みるとどう考えてもこのイイネ達は本心には見えません。
これは私が以前から思っている
「イイネ!はイイネ!以外にはなれない」
という推論ととても似ていて、
イイネ!は、あまりにも簡単に押せてしまうのが逆に怖い存在なのです。
イイネ!は単にファッションアイコンに成り下がっていないか? と思うことが最近多い。
"One Voice Campaign"も、ITベースでの次世代型ムーヴメントとしてSNSありきの展開を目指していますが、同時にこういったSNSならではの落とし穴に落っこちかけてる感が否めない。
彼らにとっては
「思ってた程、世間が付いて来てくれてない」
という現状を叩き付けられた今日が、いよいよ勝負の始まりなのでしょう。

テクニカルな部分以外にも気になる箇所があります。
例えば、同じ志を持つ人たちが集まるのはいいが、数が一定数を超えると必ず集団というのはダレるものでして、その遅延感が既に見え始めている気もしますし、
彼ら自身の世間へのアピール方法もまだまだ改良の余地があるように思える。
行動力だったり、ブランディング能力だったりと、ビジネスでもお馴染みのメソッドがうまく稼働できてないのかもしれません。

さぁ、どうでるか、"One Voice Campaign"。
これから大復活を遂げても、
このまま廃れて消滅しても、
私にとっては非常に参考になるケーススタディになることでしょう。
(運営団体の人たちには申し訳ないですが)
ぜひ注視したいところです。

とはいえ、(暮らしベースで考えた場合)ぜひ皆さんも応援してあげてくださいませ!

それでは明日も宜しくお願い致します。