4月29日の日報 極めろS.N.B

お疲れ様です。伊藤です。
本日は祝日ですが出勤してましたので、日報を提出いたします。

私の同僚に韓国人がおります。(日本語ペラペラ)
なので彼は兵役を体験しており、今日談笑の最中に
「軍隊でどんな格闘技を習うのか」
という話題になりました。

男だったら誰もが憧れるドリームのひとつに、
チャック・ノリスやジャン・クロード・ヴァンダムのように、見張り兵の背後からそ〜っと近づき、相手の頭を両手で掴んで「ガッ!」と首を折る』
があると思います。
あの、自然界におけるパワーバランスが崩れるほどに最強の技を習得したいと願うのは誰でも同じ。

とはいえ、チャック・ノリス達がいとも簡単に相手の首を折るとはいえ、素人に果たして可能なのか。
そもそも、あれは実在する技なのか?
韓国人の彼に訊ねると、
「実在する」
というではないか!

彼曰く、
「軍隊に入ったら、あの技のビデオを見せられる」
と。
「マジか!」
色めき立つ私たち。あの伝説の技は実在した!
彼は真剣な面持ちで続けます。
「ビデオを見ると会場は爆笑でした」
「!?」
なんで笑うのよ!?
「まぁ、実際には使い道がないというか……」
確かに、スーっと相手の背後に近づくなんて至難の業ですし、
そもそも『捕われた人質を助けるためにひとりで敵の要塞に潜入し、見張り兵を倒しながら進んでいく』というのは、よくよく考えると結構効率悪いぞ?
さらには
「あれって、ちょっとでも首に力を入れられたら全然効かないです」
ということで、
我々が思い描いていた伝説の奥義、『シークレットネックブレイカー』(今名付けた)は、現実では地位の低い技だったのです。

まぁとりえあず、実際にどうやるのか訊いてはみました。

私が映画を見て分析した限りでは、『シークレットネックブレイカー』略してS.N.Bのやり方は以下の通り:
1.
(背後から)右手で相手の左耳の上の辺り=腕で目隠しする感じで掴み、左手で相手の右顎を掴む。
その姿は、幼いイエスを抱く聖母マリアの如し。
苦しみを与えず相手を殺すその慈悲が表れているかのようである。

2.
「クッションサイズのルービックキューブがあったとしたら、ここをこう!」
の要領で、両手を思いっきりグルンと引っ張る!

3.
右手が左へ、左手が右へ急激に引かれることにより、相手の頭の上下が真逆に引っ張られ、顎が外れる!
ミッションコンプリート!

……が、それだと顎が外れるだけです。
いきなり背後から顎を外された見張り兵からしてみれば「なにすんねん! うわ、痛ったー!」と戦意喪失もしそうなものですが、しかしそれでは気絶にもならないわけで、ミッションコンプリートには程遠い。
同僚によると、あの技のコツは


おっと危ないwww!
危ないでござったwww
これ以上S.N.Bのことをここで書いたらば、読まれた皆さんが日常でS.N.Bを乱発できることになります。それはかなり危険だ。
「(この満員電車のなかで、今私の目の前で背を向けて立っているコイツ……さっき同じ駅から電車に乗り込む時、思いっきり私の足踏みやがって……許せないわよ! 新宿着いてみんなが一斉に降りるドタバタに紛れて首を折ってやるククク)」
みたいに、いつ何時後ろから殺されるかたまったものではありません。

自然界のパワーバランスを崩すこの『シークレットネックブレイカー』が一般社会に普及してはいけないのです。
これが奥義と呼ばれる由縁よ……。
なので、私もコツをここに書くことは控えます。

しかし、夜な夜な公園で練習してマスターすれば、私が自然界の頂点に君臨できる日も近い。
「伊藤日報に歯向かうブロガーは全てコレで」
公園の街灯の下でシュッ! シュッ! と謎の動きを練習する私を不審に思ったパトロール中のお巡りさんが
「君、こんな時間に何しているの」
と訊いてきたとして、
「いや、ははは、ちょっとパントマイムの練習を。なにかと便利じゃないですか、パントマイムって。スーパーで買い物する時とか」
と軽やかに質問を交わした私は、
「そうか、まぁ遅い時間だから気を付けてよ」
と踵を返したお巡りさんの背後からスー……

それでは明日もよろしくお願いいたします。