12月21日の日報 ひょっこりクリスマス島である の巻

お疲れ様です。伊藤です。
本日はこれにて失礼いたします。

数日前になりますが、こんなニュースを見つけました。

「ひょうたん島の灯台再建 1年9カ月ぶりに明かり」
http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012121301001638.html

東日本大震災津波で流された岩手県大槌町の蓬莱島の灯台が13日、再建され、約1年9カ月ぶりに明かりがともった。
同島は作家の故井上ひさしさんの人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる。

私は去年の10月に、この町にボランティアに行ったのですが、その時まで「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなる島があるとは知りませんでした。
大槌町もまた震災で壊滅した町でして、当時は一面見渡す限り瓦礫の荒野でした。
朝から撤去作業を始めて夕方前に切り上げるのですが、1日作業しただけでは景色がたいして変わるわけもなく、
「こりゃ一体どうなっちゃうの」
と無力さを痛感したものです。

また、この町は「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなったことから、正午になると時報のチャイムとしてテーマ曲がスピーカーから流れるのです。
震災直後は流せなくなっていましたが、しばらくしてまた再開したそうです。

「『ひょうたん島』時報が帰ってきた」
http://www.j-cast.com/2011/08/02103193.html

瓦礫が続く人がいない町跡に響くテーマソングは、勇気をもらえるようで、しかし同時に侘しさも込み上げてきて、とても複雑な空間でとても印象に残っておりました。

そこにこの「灯台再建」のニュース。
大槌町もまた少しずつ復興へむけて前進しているのだと知り、思わずにんまりです。
「お〜、やってるなぁ!」
そして有頂天になった私は、浮かれぽんちでその夜に忘年会へと向かい、あの『仕事机の下でパンツだけで寝落ちした夜』へと続くのです。

被災地の復興は地域を選ばず願ってやまないものですが、
とりわけ自分が訪れた町の明るいニュースには、感慨深いものがあります。

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ところで、
「あれからボランティアはどう続いているのだろうか」
と気になった私は、
どうせならもう1度行こうかな、と思い立ち、
今月の頭、某ボランティアセンター(略してボラセン)の東京支部へ行ってきました。情報収集のためにです。

もちろん1年のブランクがありますから、
現地での作業内容も変わっておりました。

まず、瓦礫撤去はもうだいぶ済んでいるそうで、いわゆる「ガテン系」な仕事は今は少ない…むしろ、ほとんど無いとのこと。
その変わり、
例えば「仮設カフェのスタッフ」「出張マッサージ」「花壇に花などを植える」……といったものがほとんど。木のベンチを作る、など日曜大工的なものもありました。
※このボラセンでの話ですので、復興ボランティア全体の作業内容のことではありません。地域によって誤差は多分にあるはずです。

去年とだいぶ様相が変わった作業内容は、それだけ復興が進んだ証拠として喜ぶべきでしょう。
ところが、正直とまどったというのが本音でしょうか。やっぱり少し迷うわけです。
語弊を恐れずに言うと、
「わざわざ行ってやる事かな…」と。
東京から週末にかけてボランティアに参加すると、交通費、宿泊費、その他諸々を含めると大体2〜3万円くらいでしょうか。
その実費と現地での作業内容を天秤にかけてしまいます。

人手が足りない状況は未だに続いているので、現地へ行く事にはとても意義があるはずが、
「キツい仕事をしないとボランティアした気になれない」
という奢りもあったと思います。
復興の貢献にハードもソフトもないはずですが、ちょっと自分の覚悟も甘かったようです。恥ずかしい次第。

とりあえず、もう冬になってしまい、雪が降ったら作業ができなくなる=無駄足になる可能性が高いので、今回の訪問は諦めることにしました。
来年春あたりになったら、みそ汁で顔洗って出直します。

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去年に予想していた、
「ボランティアに行くんですか、凄いですね」
から、
「まだボランティアに行ってるんですか」
に世論が変わるブレイクポイントは、
もう過ぎたようです。

そして、それを境にしてボランティアという存在がどんどん複雑な存在になっていく気がします。
なんだかこう、釈然としないもやもやが。

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まぁモヤモヤしていてもはじまらない。

そういえば、そのボラセンでは、
Xmasには100人のボランティアスタッフが、サンタクロースに扮して被災地へプレゼントを運ぶ企画を開催するそうです。

私が東京支部を訪問した時には、すでに応募が100人に達しておりました。
今頃、100人のサンタクロースがわらわらと準備に追われているのかしらん。
今年は彼らが暖かいクリスマスを現地に届けてくれるでしょう!

東京は東京で、男と女、竜虎相見える性なる合戦が壮絶に繰り広げれ、それはそれで暖かい=HOTな一夜になるのでしょうか。
ホワイトクリスマスの予報もでているとかいないとか。

それでは皆様も素敵なクリスマスをお過ごしください。
SO HOT!